八幡神社
【はちまんじんじゃ】

山本郡山本町森岳(もりたけ)鎮座。祭神は誉田別(ほんだわけの)命ほか10柱。元徳年間修験の日柱山泉蔵院の創建したもので，正平年間に泉蔵院が再建したと伝える。近世社殿は文化６年の造営で，例祭の旧暦８月15日，社の境内で演ぜられる「森岳歌舞伎」は，文化頃に始まったものという。諸国巡拝の六部が旅の病苦を八幡神社に参籠することで治し，村人に手厚い看病を受けたことの恩返しに歌舞伎を教えたものと伝える。資料は大正14年の火災で社殿とともに焼失し，現在は森岳敬神会の手によって継承されている。若者の町外流出によって，今は森岳中学校の女子生徒によって演じられ，「阿国歌舞伎」のような少女歌舞伎になっている（山本町史・神社名鑑）。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7022516