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日吉神社
【ひよしじんじゃ】


秋田市新屋(あらや)日吉町鎮座。祭神は大山咋(おおやまくいの)神・大物主(おおものぬしの)神ほか8柱。大同元年由利(ゆり)郡(現在秋田市新屋)勝平(かつひら)山麓に鎮座し,坂本の日吉神社の神体の余材で神体を刻んだと伝える。永治年間に新屋田中屋布(一本木)に移り,治承年間現在地に移ったという(羽陰温故誌)。由利忠八郎維平は7,000石,その後赤尾津光善に領主が代わっても7,000石の社領を与えられ,最上氏楯岡領時代は200刈を給され,元和6年社殿修復を受け本多上野介領時代にも2,000刈を得たが,佐竹氏になってから3石5斗を給せられることになった(同前)という。中世の件については多額過ぎて信じがたいが,佐竹領時代の社領米はそのとおりであろう。寛文9年社殿造営。4月26日の例祭は神輿の旅所神幸の際,戸帳の内に沓を向こうむきに入れておくと,自然に前に向きを変えるので,それを合図に出発するため遅速があって,「新屋の山王沓まかせ」という俚諺が生じた。行列は厳重で,練物・屋台・山鉾など多数供奉した。別当は久保田宝鏡院末の妻帯真言宗医王院(六郡祭事記では薬王院)であったから,当山派修験であろう。明治5年郷社,同12年10月県社となる。現在の例祭日は5月25・26日で,その前1日に獅子舞の清祓神事があり,25日には大幣祭がある(秋田風土記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7022671