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宝塔寺
【ほうとうじ】


秋田市八橋(やばせ)所在。山号は塚原山。日蓮宗。本尊釈迦牟尼仏。もと真言宗の寺院であったが,名高院日悟の開山で,寛永7年の建立である。佐渡の根本寺の僧が日蓮像を背負い,住持と問答の結果これに勝ち,日蓮宗に改宗し塚原山を山号としたと伝える。明治の俵屋火事に焼け残った仁王山門には,高さ3mで,元禄13年に日勇上人の刻んだ金剛天が安置されている。また寺内の丘には,有名な五重の石塔がある。市指定の建造物文化財である。中の小石塔には貞享3年の年紀が入っている。五重塔は土崎沖で難波しかけた大坂商人が,寺の後ろの丘(七面山)にまつられる法華経の守護神七面天女の灯明に導かれ難を免かれたので,その礼に大坂から運んで寄進したものという。この五重塔の前には一対の石の仁王像があり,もと勝平寺の遺物で雄物(おもの)川から出現したと伝えられる。全身が風化して「石のほそ(疱瘡)神さん」と呼ばれている。本堂の前には市の保存樹に指定されている樹齢350年というヤブツバキの古木が生えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7022840