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柳町村
【やなぎまちむら】


旧国名:出羽

(中世)戦国期から見える村名。出羽国山本郡のうち。天正18年12月19日豊臣秀吉朱印安堵状写に初見(戸沢文書)。「柳町村」955石余(うち田75町・畑9.8町)とあり,角館(かくのだて)城主戸沢光盛の当知行地である。従来,窪堰(くぼぜき)川中流部の柳持(やなぎもち)付近に当村を比定してきたが(秋大史学25),柳持は同日付で本堂城主本堂忠親が秀吉から当知行を安堵された駒場(こまば)村に含まれるので,比定は無理。むしろ近世に南楢岡(みなみならおか)村枝郷柳町村として地名をとどめる楢岡川下流部の村と推定される。ただし柳町村が955石余ではない。「戸沢文書」掲載のこの石高は楢岡川右岸部一帯を指し,同書記載の楢岡川左岸部一帯とみられる板戸(いたど)村551石余と合わせて,近世秋田藩政下の南楢岡・外小友(そとおとも)の両村(慶長8年両村村高1,617石余と推定され,近世に枝郷40~90村を含む)分に該当する。同書中の柳町・板戸両村は中世の楢岡郷内の村々を統計した筆頭の村として郷全体の石高を要約したにすぎない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7023253