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与惣右衛門堰
【よそうえもんぜき】


雄勝(おがち)郡稲川町三梨(みつなし)地区にある堰。用水源は皆瀬川,朝日山麓の八郷川原(やごうかわら)で取水し,皆瀬川左岸の岩城・下川原・上久保・京政・宮田・羽竜の各集落を通り飯田上の川原に至る。長さ6km,受益面積190ha。京政集落にある疏水記念碑の碑文によれば,江戸初期,麻生与惣右衛門が水に苦しむ農民を救うため,苦難の末50年の歳月を費して元禄14年用水路開削に成功したという。たがねでくり抜き水を通した隧道は,当時の苦心を物語っており,彼が百日の祈願をかけ神霊の加護を得たといわれる高段稲荷神社は地元農民の篤い信仰を集めている(広報いなかわ)。菅江真澄の「雪の出羽路」には「水ひき入れんとせしに,堤こぼれ,井堰くずれて,せんすべなし」「大堰を流し,二百斛の田の町に水豊かにわたり,民くさのうるおう,その功を思うべし」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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