100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

月山神社
【がっさんじんじゃ】


飽海(あくみ)郡遊佐(ゆざ)町大字吹浦(ふくら)に所在。祭神は月読命。鳥海山上,東の大物忌神に並び西に月山神と古くから同所に合祀するため両所宮・両所大明神・月山大物忌神ともいわれ,一対のものとして「延喜式主税帳」でも「出羽国月山,大物忌祭料二千束」と書き分けられずに記されている。「三代実録」仁和元年11月21日辛丑の条の「飽海郡大物忌神,月山神田川郡由豆佐之売神」とあることから田川郡の月山神が飽海郡内に勧請されたのは遅くともそれ以前のこととされるが(戸川安章:鳥海山と修験道),「筆濃余理」には,「吹浦社家旧記」の「平城ノ御宇大同元年,吹浦ニ移座シメテ月山神ト並祭シ山上ノ跡ニ薬師十二神将ヲ安置ス」や「羽黒山山縁起」よりとして欽明天皇12年に「北目,吹浦ニ於テ月山,鳥海両所権現勧請ノ社建」などの記載があるが詳らかでない。大物忌神の本地仏薬師仏に対し,月山神の本地仏阿弥陀の2体あり,社僧勤行の本尊とされていたものを明治3年神仏分離の際,学頭神宮寺末女鹿の松葉寺に撤却されたとされる。また明治6年に大物忌神社,田川郡の月山神社が国幣中社に列せられ,国祭の資格を失い,明治10年さらに大物忌神社の摂社となった(飽海郡誌・出羽国風土記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7024366