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黒川春日神社
【くろかわかすがじんじゃ】


東田川郡櫛引町大字黒川に所在。旧県社。祭神は健御賀豆知神・伊波比主命・天津児屋根命・比売神。大同2年の創建と口碑に伝えられているが,さだかではない。社歴は古くかつては相応に社領を有していたという。武藤氏の崇敬深く手厚く保護されていたが,上杉景勝・最上義光なども社殿の修理,社領の寄進などを行ったという。酒井氏入部以来庄内藩から灯明料として米30俵余そのほか,金品の寄進も大変多かった。この神社の特殊神事として王祇祭がある。一種の延年祭で2月1日未明神社に祀られている「王祇様」が村の長老の家(頭屋)に遷座し,そこで神事能が奉納される。2日御神体は神社に還御し,拝殿でまた能が奉納される。能は観世・宝生・金春・金剛流いずれとも異なる独特の古いもので黒川能と称され,国重要無形民俗文化財に指定されている。この黒川能には諸説があるが,寛正3年武藤淳氏が出羽守に任ぜられ,同5年御礼言上のため上洛し将軍足利義政に謁見したおり,何人かの能役者が淳氏に従って庄内に下り神事能を奉仕したのがそのはじめであるという説が最も注目されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7024904