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国道
【こくどう】


 国道7号 県西部を縦貫する道路。新潟県新潟市本町通りから西田川郡温海(あつみ)町・鶴岡市・東田川郡三川町・酒田市・飽海(あくみ)郡遊佐(ゆざ)町を経て青森県青森市長島2丁目に至る。総延長481.1km,県内延長86.8km。特に県内の国道7号をおばこおけさラインとも通称する。かつての浜街道・内郷街道の一部が整備され,大正9年4月国道10号となった。昭和27年12月1級国道7号と改称され,吹浦(ふくら)(遊佐町)から秋田県境にかけての改良工事が行われた。鶴岡以南の改修工事は同37年4月から,酒田以北は同39年4月から着手された。翌40年3月に国道7号と改称。昭和43年3月に第1次改良工事が完成し,その後昭和45年に鼠ケ関(ねずがせき)バイパス,昭和46年に温海バイパス,昭和47年に酒田バイパスが供用開始された。また酒田市内における47号との交差は完全立体交差方式がとられ,最上川には新両羽橋が架橋された。国鉄羽越本線と並行する鼠ケ関~由良(鶴岡市)間は道路公園とも称され,日本海に沿う景観は暮坪(くれつぼ)の立岩や塩俵岩などの名勝で知られる。また磯浜は釣りの名所になっている。鶴岡以北は庄内平野の中央部を縦貫するため,冬季の強い北西風を避けるためバス停留所には必ず小型の待合所が設けられている。 国道13号 県東部を縦貫する道路。福島県福島市杉妻町から米沢市・東置賜(ひがしおきたま)郡高畠(たかはた)町・南陽市・上山(かみのやま)市・山形市・天童市・東根(ひがしね)市・村山市・尾花沢(おばなざわ)市・北村山郡大石田町・最上郡舟形町・新庄市・最上郡金山(かねやま)町・最上郡真室川(まむろがわ)町を経て秋田県秋田市茨島に至る。総延長300.6km,県内延長160.9km。かつての羽州街道・米沢街道・万世大路(ばんせいおおじ)の一部が整備され,明治18年2月に国道39・40号,大正9年4月に国道5号,昭和27年12月に1級国道13号,昭和40年3月に国道13号と改称された。国道の改良工事も各地で行われ,昭和41年に栗子第1・第2トンネルが完成し,冬季間の交通も可能となった。バイパス建設では昭和42年の新庄バイパスを皮切りに同43年に山形バイパス(山形~天童間),同45年に米沢バイパス,同46年に川樋バイパス・山形北バイパス(天童市久野本~東根市神町間)・土生田(とちゆうだ)バイパス,同48年に成沢バイパス・山形北バイパス(神町~村山市金谷),昭和53年に山形バイパスの4車線化,昭和54年に尾花沢バイパスを完成させ,交通ラッシュの緩和に大きな役割を果たしているが,反面交通事故の多発も問題となっている。 国道47号 県北部を横断する道路。宮城県仙台市日の出町から最上郡最上町・同郡舟形町・新庄市・最上郡戸沢村・東田川郡立川町・同郡余目(あまるめ)町を経て酒田市内で国道7号に合流する。舟形町内では国道13号と重用する。総延長181.9km,県内延長93.4km。うち国道13号との重用部分は6.1km。かつての最上街道・磐根(いわね)新道が整備され,昭和11年9月に新庄町(現新庄市)~酒田市間が指定県道9号,同28年5月宮城県石巻市~酒田市間が2級国道108号に指定された。同37年5月に1級国道47号に昇格し,同40年3月に国道47号と改称。県内陸部と庄内地方を結ぶ道路として重要であるが,戸沢村に地滑りや雪崩が多いため,スノーシェットや雪崩防止柵・防雪柵が設けられている。沿線の山内(やまのうち)と称される最上峡は最上川県立自然公園に指定されている。新緑や紅葉が美しく,白糸の滝などの景勝地もあり,四季を通じての最上川船下りが人気を集めている。 国道48号 宮城県仙台市本町から東根(ひがしね)市・天童市を経て山形市大字蔵王飯田に至る。総延長76.8km,県内延長39.5km。うち,天童市・山形市における国道13号との重用部分は19.9km。かつての関山街道を明治期に県令三島通庸が整備し,明治15年関山峠にトンネルが完成した。その後トンネルの新築や道路改修が行われ,昭和37年5月に1級国道48号に指定された。同40年3月に国道48号と改称。昭和12年完成の関山トンネルは急カーブ・急勾配が連続し,土石の崩壊なども起こるうえ,冬季は通行不能であるため,大型車や運行車両の急増に伴い新トンネル建設の要望が強まった。昭和38年から建設省東北地方建設事務所が改良工事に着手し,現在の関山トンネルは同43年11月に竣工した。このトンネルは標高530m,延長890m・幅員8.5m・高さ4.5mで工事費4億4,257万2,000円を費やした。道路の最急勾配も5%となり,山形市と仙台市を結ぶ自動車交通の大動脈で,冬季積雪時の通行も可能となり,所要時間も大幅に短縮された。関山トンネル西方には大滝公園があり観光客を楽しませている。 国道112号 県中央部を横断する道路。山形市大字蔵王飯田で国道13号から分岐し,東村山郡中山町・寒河江(さがえ)市・西村山郡西川町・東田川郡朝日村・同郡櫛引(くしびき)町を経て鶴岡市内で国道7号に合流する。総延長102.9km。かつての六十里越街道が整備され,昭和11年9月指定県道12号,同28年5月2級国道112号,同40年3月国道112号となった。急勾配で幅員が狭いうえ,屈曲が多い。また落石や土砂崩壊があり,積雪量が多いため冬季は通行止めになるなど問題が多い。このため県内陸部と庄内地方の連絡は新庄市を経由する国道47号が多く利用されている。そこで,本道寺(西川町)~大網(朝日村)間約31kmの「月山道路」としての改修計画が進められ,昭和47年4月から月山第1トンネル(延長2,620m)・月山第2トンネル(延長1,530m)・湯殿山トンネル(延長665m)の本工事に着手し,月山沢(つきやまざわ)(西川町)~田麦俣(たむぎまた)(朝日村)間約22kmは東北横断自動車道酒田線の一部を構成することもあるという前提で,第1種4級規格が準用できる道路構造になっている。昭和56年7月から供用開始され,月山花笠ラインとも通称している。沿道は紅葉が美しく,弓張平(ゆみはりだいら)(西川町)の大規模レクリエーション基地化や昭和59年度完成予定の寒河江ダム周辺の観光化が計画されている。 国道113号 県南部を横断する道路。新潟県新潟市本町通りから西置賜(にしおきたま)郡小国(おぐに)町・同郡飯豊(いいで)町・長井市・東置賜郡川西町・南陽市・東置賜郡高畠(たかはた)町を経て福島県相馬市に至る。総延長235.6km,県内延長68.0km。かつての越後街道・仁礼街道・二井宿街道・小国新道の一部からなる。建設省東北地方建設局が,昭和42年から羽越災害の復旧工事と併行して置賜地区の113号の改修に着手し,同52年に完成。 国道121号 県南部を通る道路。栃木県宇都宮(うつのみや)市から福島県を経由し大峠を越えて米沢市で国道13号に合流する。総延長230.6km,県内延長37.1km。明治17年三島通庸により会津三方道路の1つとして開削された八谷(やたに)街道が昭和11年山形県指定県道11号に指定された。同28年2級国道121号,同40年国道121号と改称。現在大峠の西部にトンネルが開削され,改修工事が進められている。 国道286号 県東部を横断する道路。山形市と宮城県仙台市を結ぶ道路。仙台市長町5丁目から笹谷峠を越えて山形市にはいり,山形市中央部で国道112号に合流する。総延長70.9km,県内延長16.8km。笹谷街道が昭和29年1月に主要地方道として指定をうけ,昭和44年12月に国道286号に昇格した。笹谷(宮城県柴田郡川崎町)~関沢(山形市)間は,未舗装道で坂が急なうえ急カーブが連続し,大型車の通行が禁止され,また降雪期より4月下旬まで通行不能となる。このため昭和48年に笹谷トンネル(延長3,385m)の工事に着手し,同50年に笹谷トンネル底設道坑が貫通,同56年に開通した。山形市と仙台市の最短距離道路になり,この路線に沿って東北横断自動車道酒田線が整備計画されている。沿道の新山(山形市)・関沢地内にマス養魚場や釣堀があり,訪れる人が多い。 国道287号 県南部を縦貫する道路。米沢市から東置賜(ひがしおきたま)郡川西町・長井市・西置賜郡白鷹町・西村山郡朝日町・同郡大江町・寒河江(さがえ)市・西村山郡河北(かほく)町を経て東根(ひがしね)市内で国道13号に合流する。総延長90.2km。うち長井市における国道113号との重用部分は1.2km。昭和44年に国道287号となる。 国道344号 県北部を横断する道路。秋田県湯沢市から国道13号と重用して最上郡真室川(まむろがわ)町を経て同郡金山(かねやま)町内で国道13号から分岐し,真室川町・飽海(あくみ)郡八幡(やわた)町を経て酒田市内で国道7号に合流する。総延長118.8km,県内延長94.4km。うち国道13号との重用部分は35.6km。昭和49年国道344号となる。 国道345号 県西部を縦貫する道路。新潟県村上市から西田川郡温海(あつみ)町・鶴岡市・東田川郡羽黒町・同郡藤島町・同郡立川町・飽海(あくみ)郡松山町・同郡平田町・酒田市・飽海郡八幡(やわた)町を経て同郡遊佐(ゆざ)町北部の大字吹浦(ふくら)で国道7号に合流する。総延長149.6km,県内延長105.1km。うち重用部分は4.2km。かつての小国(おぐに)街道・江戸街道の一部が整備改修され,昭和49年に国道345号となる。 国道347号 県北東部を通る道路。宮城県古川市と尾花沢(おばなざわ)市内を縦貫する国道7号を結ぶ。総延長57.8km,県内延長17.2km。かつての母袋(もたい)街道の一部が整備改修され,昭和49年に国道347号となる。 国道348号 県南部を縦貫する道路。長井市南部を東西に通じる国道113号から国道287号と重用し,西置賜(にしおきたま)郡白鷹(しらたか)町内で国道287号から分岐し,南陽市・上山(かみのやま)市を経て山形市大字蔵王飯田に至る。総延長53.4km。うち国道287号との重用部分は19.6km。かつての小滝越え・小白府街道の一部が整備改修され,昭和49年国道348号となる。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7024993