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白子神社
【しろこじんじゃ】


米沢市城北2丁目に所在。旧県社。祭神は火産霊神・埴山姫神・大宜都比売神。俗に明神堂ともいう。伝承によると大物忌神の示現により,この地に蚕児が産し桑林を食した。これを望見するに白雲のようであったため,この地を白子と称し,和銅5年ここに神社を建てて祀ったという。元慶の乱の時鎮守将軍小野春風がこの祠あたりに軍をとどめ,山城国(京都府)愛宕神を請祈した。この後大物忌神と愛宕神とを合祀するようになったともいうが,この神社は小野春風が建てた神社であるという説もある。これらも確証はないが,平安期以来存した古社であることは確かと思われる。暦仁年間長井(大江)時広がこの地方を領した際当社を再興し,長井宮城郷の惣鎮守と称した。ついで明徳年間伊達大膳大夫政宗も当社を修し,置賜(おきたま)郡惣鎮守とした。さらに文禄年間蒲生氏郷も当社を米沢鎮守とした。米沢城三の丸の外郭に鎮座し,別当は大行院であったという。米沢藩上杉氏からも尊崇され25石の黒印地を受け,また祭礼費・営繕費の一切を藩費で賄っていた。明治3年郷社に列し,その後県社となっている。社殿は大正6年焼失しているが同13年に再建された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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