鉄砲屋町
【てっぽうやまち】

旧国名:出羽

(近世～近代)江戸期～昭和42年の町名。鉄炮屋町とも書く（城下絵図など）。明治22年頃，一時期米沢を冠称。江戸期は米沢城下のうちで町人町の１つ。明治22年からは米沢市の町名。米沢城下の北東部に位置し，南は立町(たつまち)に接する。町名は鉄砲張が多く居住したことに由来する。当町は慶長９年，鉄砲師として江戸の吉川総兵衛，泉州堺の泉谷松右衛門が招かれて，各100石の家禄を給され，鍛冶10人・足軽20人を指揮して鉄砲・火薬の製造を行ったことに始まる。寛文12年の惣町軒数従町奉行絵図ニ添来目録（県史16）には御鉄砲屋町と見え，総家数31軒半，御免屋敷がある。享保10年の町方屋敷数書上帳（県史16）には，長さ２町１間３尺・道幅６間，家数は本屋28軒・名子45軒，ほかに小島御蔵道など横町３筋がある。寛政３年の町家大概書には家数60・人数194。明治11年の一覧全図では，反別１町８反余，戸数63・人口342。昭和42年中央３丁目の一部となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7026322