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東禅寺八幡神社
【とうぜんじはちまんじんじゃ】


酒田市亀ケ崎1丁目に所在。無格社。祭神は品陀別尊。古来大浄山東禅寺八幡宮と称し,享禄5年の鰐口銘には東禅寺一王子とある。大正9年亀ケ崎八幡神社と改称。旧亀ケ崎城(東禅寺城)二の丸にあり城内の鎮守であったが,創始年代は不詳。往時大浄山東禅寺という寺が鵜渡川原付近にあり,その地方を東禅寺と汎称し,城名の東禅寺もそれにちなむものといわれる。寺の廃絶後その鎮守であった一の王子(八幡宮)を城内に遷した。天正16年越後村上(現新潟県村上市)城主本庄繁長が庄内を攻略し,東禅寺に在城の際,越後から日光院賢清という修験者を招致して当社を守護させた。これが旧社僧成就院の祖である。慶長17年最上義光より社領として22石4斗3升5合を寄進する旨の黒印状を与えられた(延宝九年庄内寺社領略記)。元和4年最上家信(義光の孫義俊の初名)の願により,寺内・高橋・斎藤の3奉行をして社殿を造替させた。当社は亀ケ崎城の鎮守として,代々の城主により崇敬され,春秋の祭料として玄米16俵の寄進を受けてきた。明治維新後,社領は旧社僧の所有となったが,近火の際社殿が類焼し,累代の宝物の多くが焼失して,無格社となった。当社に伝わる嘉暦2年から建武2年にわたって書写された紙本墨書の大般若経は当社の由来を物語る重要な史料として市文化財に指定されている(県史15上・飽海(あくみ)郡誌)。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7026390