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道智通り
【どうちどおり】


置賜地方の黒鴨(くろかも)(現西置賜(にしおきたま)郡白鷹(しらたか)町)から寒河江川上流の大井沢(現西村山郡西川町)に至る街道。名称は,応永年間道智上人が置賜に通ずる街道を開いたことにちなむ。延長約25km。黒鴨から茎ノ峯(くきのみね)峠(825m)を越え,朝日川流域の木川(現西村山郡朝日町)を経て,山毛欅(ぶな)峠(730m)を越えて月布(つきぬの)川上流の古寺(こでら)(現西村山郡大江町)に出る。さらに地蔵峠(670m)を越え寒河江川上流の根子(現西川町)に出て,川沿いに4km下り大井沢中村に至る。出羽三山行者が利用した街道で,貞享3年に道路が改修されてから行者の通行が増えた。年に1万人以上の行者が通り,多い年には1万8,000人に達した。黒鴨は置賜経由の行者が集まるところで,日光(栃木県)から会津(福島県)を経由してきた関東の行者も多く宿泊した。4軒の宿屋と2軒の法院があり,馬が15頭ほど置かれた。大井沢は大日寺(現湯殿山神社)のもとに6か寺と衆徒6軒あり,総計43軒の門前集落であった。米沢から来た行者は黒鴨で宿泊し,長井に宿泊した行者は大井沢で宿泊するのが通例であった(山形県交通史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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