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成島八幡神社
【なるしまはちまんじんじゃ】


米沢市大字広幡町成島に所在。旧郷社。祭神は誉田別命。創立年代不明。社伝では宝亀8年,大伴駿河麿蝦夷征伐の際の創立という。正保年間に社殿が炎上したため古記録は焼失(山形県神社誌)。正安2年に長井荘地頭長井(大江)宗秀が宝殿並長居を修理(八幡神社棟札),さらに貞和4年に宝殿一宇を修理したが,棟札に当庄地頭大江朝臣治部小輔時春・当村政所源朝臣嶋抜彦七義綱・当村給主奉行丹治朝臣左兵衛尉高綱の名が見え,長井氏の地頭職および当村をはじめ各村に政所の所在したことを示している(県史15下)。天授6年伊達宗遠の領有下に入ると,永徳3年拝殿を造立,爾来殿宇の修理・社領寄進を重ね厚信を受けている(県史15下)。古来社領在家が隷属していて一月在家・二月在家から十二月在家までと毎月の名を付した在家があり,さらに閏月に備えて壬生(閏)在家があった。現在はそれぞれ小さな集落であるが,以前は集落内の家々が組み合い,在家ごとに交替で灯明などを献納していた。最近でも秋祭りの際には在家主によって加供役(かぐやく)が奉仕されている。慶長6年上杉景勝が米沢30万石に移ると,上杉氏の当社への崇敬も厚く,社領を寄進。承応3年には綱勝は梁間3間・桁間4間の本殿(現存の神殿)を造立した。明治4年郷社,大正4年神饌幣帛料供進社となる(山形県神社誌)。例祭日9月15日。11世紀の作とされる男女2体の木造門神座像(県文化財),南北朝期の像とされる舞楽面(蘭陵王面・菩薩面),僧形八幡像,木彫狛犬2頭などがある。特殊神事に流鏑馬(やぶさめ)。氏子121戸(山形県神社誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7026757