100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

二井宿街道
【にいじゅくかいどう】


仙台街道ともいう。東置賜(ひがしおきたま)郡高畠(たかはた)町と宮城県白石市を結ぶ街道。赤湯(現南陽市)で米沢街道から分岐し,高畠・二井宿(現高畠町)を経て二井宿峠を越し,干蒲(ひかば)(現宮城県刈田郡七ケ宿町)に出て羽州街道に合流する。街道沿いには古墳も多数分布し,奥羽山脈を越える街道としては最も古いものである。江戸期には,高畠が長期間幕府領だったために米沢藩主の参勤道である板谷街道の脇街道のような地位におかれ,幕府領の米の移出や荒浜(現宮城県亘理郡亘理町)方面の魚の移入以外は,重要視されなかった。しかし商人や幕府役人の往来は活発で,他領から二井宿街道を経て米沢藩領に入る者に対しては,元禄4年以降は糠野目番所(現高畠町)と花沢番所(現米沢市)あるいは大橋口(現南陽市)で取り締まった。古い峠越えは,屋代(やしろ)川に沿って大字二井宿上の台地区から干蒲に出ていた。明治16年から車馬の通れる道路に改修し,同19年には小原新道(羽前岐新道)が完成し,米沢市と白石市の交通が盛んになった。明治33年に国鉄奥羽南線が赤湯駅まで開通したため,一時街道は衰えたが,昭和初期からトラック交通が盛んになると再び利用されるようになった。現在は国道113号として利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7026773