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日枝神社④
【ひえじんじゃ】


鶴岡市山王町に所在。旧県社。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。下山王社・下山王大権現・白山大宝寺下山王宮ともいう。元禄11年日吉大明神,明治2年日枝神社と改称。創建年不詳,所在地である大宝寺村(現鶴岡市)が草創される以前から祀られていたと伝えられる。慶長16年の日吉神社鉄鉢銘に「庄内鶴岡山王上下之社」とある(県史15下)。この時最上義光が社殿を造営,大宝寺村で77石余の社領が寄進された。酒井氏も城の鎮守として崇敬し,98石余の社領を安堵したほか改築・祭礼の際の資金や警固役を寄進している。特に元禄11年には社地を広め,下野国宇津宮(現栃木県)を模した社殿を建立した。貞享2年酒井忠真は岡崎三郎信康の生害にまつわる先祖忠次の不正を悔い,その怨霊を鎮めるために境内に復鎮霊社(羽車)を勧請した。近世を通じて蓮池氏と富樫氏が神主を,2軒の富樫氏が下社人を,各々世襲した。正保4年藩命により京都吉田家の支配となった。社宝に最上義光奉納の器物類,吉川惟足の復鎮霊社勧請の祝詞がある。鶴岡の産土神三社の1つで,5か町6か村がその氏子であった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027121