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平塩熊野神社
【ひらしおくまのじんじゃ】


寒河江(さがえ)市大字平塩字上条に所在。祭神は伊弉冉尊・櫛御気野命・速玉男命・事解男命・倉稲魂命・大国主命。社伝によれば行基の開基で養老5年4月3日紀州熊野宮を勧請し,熊野三所大権現といい,応徳・明応年間に社殿修復をしたという。同社には永禄在銘の鋳鉄仏餉鉢が3口ある。その1つは「九まのの八,永禄十年,ひのと卯,九月十八日,山さきのすけえもん」と陽刻され山崎の楯主が奉納したもの。また天文年間の作と考えられる刀工月山俊吉作の鉄製燭台2基,藤原期と推定される木造十王像や鎌倉期の木造吉祥天立像があり由緒は古い。江戸期には149石9斗余の朱印地を所有し,別当・社僧・衆徒・太夫・承仕・社人などが奉仕していた(山形県神社誌)。4月3日の例祭に行われる舞楽は天王寺系のものといわれ,慈恩寺・谷地八幡宮の林家舞楽と同系統のものである。なお天喜5年・康平5年の源頼義・義家奉納の懸仏が存するが銘は後に刻したものと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7027258