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六椹八幡神社
【むつくぬきはちまんじんじゃ】


山形市八日町2丁目に所在。旧県社。祭神は誉田別尊。ほかに玉依姫命・息長足姫命を祀る。天平年間に陸奥鎮守府将軍兼按察使大野東人の創建と伝えるが,定かではない。また地名説話によれば,前九年の役の際,この地に一時駐屯した源頼義が土地の者に地名を尋ねたところ,「椹の大樹が6本あるので古来六椹ノ里と称し,付近に祀る八幡大神を六椹八幡と呼ぶ」と答えた。頼義は六椹が「陸奥苦抜き」に通じるとして戦勝祈願したという。延文2年,斯波兼頼が山形城築城の際,社殿を再建し,祈願所として尊崇した。最上氏(斯波氏)は源姓であるため氏神として手厚く祀ったと思われる。最上義光が慶長5年直江兼続と戦って勝利を収めるが,その際にも当社に修築を加え,戦時に使用した軍旗・兵器などを献上した。当社は従来旧吹張(現幸町)にあったが,山形城三の丸構築の際,城南の現在地に移建した。寛永7年山形城主鳥居忠恒が社殿を修復し,現在に至る。慶安年間幕府から480石の朱印地が認められた。爾来保科正之・堀田正亮・秋元凉朝・水野忠精など歴代の山形藩主や士庶の崇敬も厚かった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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