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母袋街道
【もたいかいどう】


宮城県側では中羽前街道ともいう。村山地方,尾花沢(おばなざわ)市と宮城県仙台市を結ぶ街道。尾花沢市の市街地から奥羽山脈の鞍部鍋越(なべこし)峠(517m)を越え,宮城県に入り鳴瀬川沿いに通じる。古代以来陸奥と奥羽を結ぶ重要な交通路で,陸奥国府多賀城(宮城県)から最上川下流域に置かれた出羽国府に至る幹線として整備された。「続日本紀」によれば天平9年陸奥按察使の大野東人が多賀城~出羽柵間の玉野新道を開いたが,この時もこの街道を通ったと思われる。陸奥加美郡色麻(しかま)(現宮城県加美郡色麻町)から出羽国玉野(現尾花沢市)まで13里余の山道で鳴瀬川と丹生(にう)川を結び,大室塞(おおむろのさい)(現尾花沢市)に至っている。明治25年に改修され,車道として利用できるようになり一時栄えたが,大正6年国鉄陸羽東線の開通により衰退した。現在一部は国道347号となっているが,積雪のため冬季は通行不能となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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