100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

六所神社
【ろくしょじんじゃ】


東田川郡藤島町大字上藤島に所在。旧郷社。庄内地方の式内社六社の祭神を祀る。満山満願寺六所大権現と称されていたが,明治初年六所神社と改称。延暦13年勧請と伝わる。国府跡の可能性もあるとされる平形の近くに位置し,国府の総社宮,あるいはその遺号を伝えるものといわれている。伝承によれば古くは渡前の元六所(信心河原)に鎮座,その対岸を寺社川原といい,社殿が洪水で流されて現在地に留まったものという。永和4年の大般若経裏書(田川八幡神社文書/県史15上)に「上藤島六所宮後称名寺」とあり,当時から神仏混淆の神社として存在していたことがうかがわれる。上藤島村に7石余の社領があり,最上氏・酒井氏から安堵されている。天保11年長岡転封阻止運動の際は川南の一揆勢の集会所となった。その時に境内の竹木が切り尽くされた代償として,中川通の全村をその支配下に入れた。その結果,村々の社人と軋轢を生じたことは,獅子頭の喧嘩の伝承からもうかがわれる。神主両家は小林家で世襲,近世には京都吉田家の支配を受けていた。御隠居様と呼ばれる獅子頭を所蔵し,境内には花山天皇の御陵と伝わる古墳がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028447