100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

蕨岡大物忌神社
【わらびおかおおものいみじんじゃ】


飽海(あくみ)郡遊佐(ゆざ)町大字上蕨岡に所在。鳥海山頂上に本殿のある旧国幣中社大物忌神社の口の宮と呼び,登山道入口に位置している。その創立年代は不明だが,平安期頃からあったと思われる。祭神は大物忌大神。摂社として風神社があり祭神は志那都彦命・志那都比売命。慶長年間に最上義光が神領を寄付し,酒井氏からも寄進があったが,桜町天皇より正一位の神階ならびに勅額を賜ったという。同社には暦応5年の銘がある鰐口があり,県文化財に指定されている。もとは神仏習合で,鳥海修験道の道場として秋田県矢島とともに信仰登山の中心地であった。別当学頭職として竜頭寺があり,薬師如来を大物忌神の本地仏として崇め,33軒の衆徒(山伏)があって,188石を給され,当山派と本山派の修法を行っていた。明治期以後は修験道は衰えたが,かつての衆徒らが夏期に信仰登山の案内を務めており,3月18日には大物忌入峰作法が行われる。当日には一山の衆徒行列して観音堂を3巡し,数曲の田楽も行われる。この後鳥海山に入峰し,5月5日まで参籠することになっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028489