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飯野八幡神社
【いいのはちまんじんじゃ】


いわき市平八幡小路に鎮座。旧県社。岩城4郡の総社。祭神は誉田別尊。「八幡宮縁起注進状案」によると,康平年間源頼義が石清水八幡を勧請,源義家が修覆し神領を寄進した。文治5年には頼朝が社頭を修繕した。はじめ平駅頭の赤目崎物見岡(あかめがさきものみのおか)にあったが,慶長年間島居忠政が平城を築くに当たり今の飯野平の地に移し,以来飯野八幡宮と称し好島荘の650石余を神領とした。のちに400石に減じられ,のち安藤家より好間村のうち50石の神領寄進があった。当社の変遷神領については飯野文書に文治2年からの記録がある。飯野文書(県重文)は貴重な中世文書で,好間荘の地頭伊賀氏(のち宮司飯野氏となる)の動静を知るうえでの貴重な史料であり,中世荘園史料として知られる。宝物として国重要文化財の備州長船住盛景の大薙刀がある。裏銘に貞治6年11月日の年紀があり,石附に貞享3年根本国虎伝三郎の銘がある。本殿の柱に元和元年大工平沢内匠建立の墨書銘があり,流造りの大社殿であり,拝殿は江戸初期の唐破風付き入母屋造りの古建築で内藤家奉納の古絵馬がある。境内古図があって流鏑馬馬場の一鳥居・楼門・宝殿・御供屋・阿弥陀堂・三重塔などがある壮大な境内であった。祭礼は9月15日。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028829