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黒沼神社
【くろぬまじんじゃ】


式内社黒沼神社と称するものが信夫(しのぶ)郡(福島市)に3社ある。論社。福島市御山字堂殿鎮座の旧県社黒沼神社は久良御津羽神・石比売命を祭神とする。久良御津羽神は水をつかさどる神で一名黒沼大神,石比売命は信夫山上の羽黒神社の祭神の母,欽明天皇の皇后。信夫山頂の羽黒神社は山神・稲作の神,麓の黒沼神社は里宮の意で,水神開拓神をまつるとされる。同名の神社は福島市金沢字宮ノ前と,隣村の旧浅川村字木戸前(同市松川町浅川字木戸前)にもあり,いずれも村社で信夫山黒沼神社と同縁起の石姫皇后下向伝説があり,ともに式内社を称する。金沢の黒沼神社には旧暦11月17・18日(もと15日より)に行われる羽山ごもりがあり,国の無形民俗文化財に指定されている。黒沼・羽黒神社は羽山信仰と密接な関連があり,信夫山の一峰にも,浅川にもかつて羽山ごもりがあった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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