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国道352号
【こくどうさんびゃくごじゅうにごう】


栃木県今市市から福島県南会津郡田島町・檜枝岐村を経て新潟県長岡市に至る国道。今市市を起点とし,国道121号と同一路線を通って山王峠(標高906m)を越え福島県に入る。田島町羽塩で国道121号と分かれて西走し,中山峠(標高1,150m)およびその南方の鞍部をトンネルで抜け,旧沼田街道に接続して檜枝岐(ひのえまた)村に至る。滝ノ原~八総間は峠とトンネル経由の両線ダブリ認定。ここ約940mの高さにある檜枝岐村から,燧ケ岳(ひうちがたけ)の北麓にある御池の高原(標高約1,500m)まで登る。さらに只見川を渡って新潟県に入る。県境からは只見川西岸の深山幽谷をたどって銀山湖(奥只見ダムによる人造湖)の南端に達し,湖岸をたどって北ノ又川上流に至り,枝折峠(標高1,236m)を越えて新潟県小出町に通じる。ここで国道17号と同一路線となり,長岡市の終点に至る。全延長は約230kmで,他路線との重用区間を除けば約130km。このうち県内の路線延長は82.2kmと公称され,昭和54年においてこの64.7%が未改良で,36.6%が未舗装と記録されている。路面の整備は今なお不充分であるが,自動車交通は県内ならば可能である。この沿線は県内においてはもとより全国的にみても高山・渓谷の高く深く重なり合う山岳地域である。しかし,この沿道には燧ケ岳や只見川沿岸の電源開発地点があるので,この国道は観光道路としても産業開発道路としても意味が大きい。尾瀬ケ原高原の北東の入り口に当たる檜枝岐村やそれに隣接する伊南村・舘岩村(南会津郡)などは県内では最も交通の不便な地域であった。この道路の整備により,田島町経由で会津若松方面と,今市市経由で京浜地方と便利にかつ安全に連絡できるようになった。特に中山峠のトンネル化は冬季間の自動車交通を確保するのに非常に役立っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7030863