100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

国道349号
【こくどうさんびゃくよんじゅうきゅうごう】


茨城県水戸市から福島県内を経て宮城県柴田町に至る国道。茨城県水戸市を起点とし,阿武隈(あぶくま)山地を南北に縦走し,福島盆地の北東端から宮城県角田盆地に入り,同県柴田町船岡で国道4号と接続する。ほかの国道との重用は角田~丸森間(国道113号と重用)のほかはごくわずかで,総延長約260kmの大きな路線である。特に福島県においては県南の東白川郡矢祭町から県北の伊達郡梁川(やながわ)町に至るまで,約160kmにわたって交通の不便な阿武隈山地内を南北に貫通する唯一の路線であり,阿武隈山地の開発上に,この路線の果たす機能は極めて大きい。しかし,国道に指定されたのは昭和49年であり,県内における路面の未改良区間は全体の約47%にのぼり,未舗装区間も同じく19.4%で,この路線の利用はまだ充分でない。阿武隈山地内の交通路は,国道115・114・288・49・289号など主として,東西に横断する形で整えられた。このため阿武隈山地内の開発,住民の生活は,山地の東西にある浜通り・中通り低地帯と関連して営まれた。これに対して,新たに南北の縦貫道路が整備されれば,従来の開発パターンを変え,県が標榜する阿武隈山地開発の基本的事業の1つともなる。県内路線の主な通過地は次のようになる。茨城県境から矢祭町大垬(おおぬかり)を経て同町の中心集落東舘に出て,塙(はなわ)町那倉,鮫川村青生野(あおの)を経て古殿町松川(以上東白川郡)に至り,同町山上を経ていわき市上三坂に出る。さらに小野町・船引町(以上田村郡),岩代町東新殿・東和町針道(以上安達郡)を経て川俣町・月舘町を通過し,霊山町掛田(以上伊達郡)に出る。ここからはじめて阿武隈山地を離れて保原町・梁川町(伊達郡)に至り宮城県境へと進む。なお,塙町東舘以南は茨城街道と呼ばれた道路の一部。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7030864