浄土平
【じょうどだいら】

東吾妻火山群の主峰一切経山の南東にある旧破裂口の底にできた平坦地。標高1,590m。東部および東南部に吾妻小富士や桶沼火山ができて,浄土平には明治中期まで湖沼をたたえていた。昭和6年要部修正の5万分の1地形図ではここに硫黄製造所も記されており,越冬して精練を行っていた。北部のブス付近で採鉱したという。明治末年まで桶沼北方に温泉小屋があった。昭和34年磐梯吾妻スカイラインが開通し,浄土平停留所が開設され,駐車場・レストハウス・移動郵便局なども設けられ,夏季は観光客でにぎわっている。近くに昭和25年の爆発で活動した八幡穴付近の破裂口や,明治26年突然爆発した燕沢もあり,その調査に登山した三浦・西山両氏の殉難記念碑がある。また浄土平北西の丘陵上には大小の噴火口や噴気孔が並び,火山活動が真新しいことを示している。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7031560 |