住吉神社
【すみよしじんじゃ】

いわき市小名浜住吉字住吉に鎮座。式内社・旧郷社。祭神は底筒男命・中筒男命・表筒男命。紀州住の江の住吉三社を移したのであろうが，式内社住吉は全国唯一である。社伝によると武内宿禰が海上で暴風雨にあい住吉神社を祈り，磯山に勧請するという。海上安全の神として崇敬が厚い。磯山は岩石重畳する小丘で，麓に土師式の貝塚がある。往昔海浜にあった小島であろう。一名岩舟山の称がある。社殿は磯山に対し南面していたというが，現在は東面する。社殿は三間社流造りで寛永18年の墨書銘，造立・修補の古棟札を多く蔵する。本殿３面の胴羽目の彫刻は後世のものである。祭礼は10月13日，古くは社前の参道で流鏑馬があった。簑笠祭といわれ勅使参向の神事がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7031793