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相馬街道
【そうまかいどう】


中村街道ともいう。阿武隈(あぶくま)山地北部で中通りと相馬を結ぶ街道。1つは福島から渡利・大波(以上福島市)・笹町(東玉野)・卒塔婆峠・新宿経由で中村(以上相馬市)に通じる街道。これは明治初年2等道路(二郡村誌)。瀬上(福島市)で陸羽街道から分岐し箱崎(伊達郡伊達町)・保原(同郡保原町)・大石(同郡霊山(りようぜん)町)・笹峠を経て宮城県伊具郡筆甫(ひつぽ)村に入り,宇多川上流沿いに松ケ房(相馬市)に出て,金谷原を経て中村に向かう中村街道(相馬街道)は,明治12年10月県道2等に仮定され,渡利経由の相馬街道を換線した。同年保原・掛田・玉野経由で中村に向かう中村新道(相馬街道)の工事に着工,明治18年8月に完成して同年中県道編入,大石・笹峠経由の中村街道を換線した。さらに保原・高子・岡部(福島市)経由に変更され,その後掛田・大波・岡部を結ぶ路線に変更され現在に至っている。国道115号の一部である。二本松から小浜・百目木(どうめき)(安達郡岩代町)・山木屋(伊達郡川俣町)・飯樋・草野(相馬郡飯舘村)・八木沢峠・栃窪(同郡鹿島町)を経て中村に出る道も「相馬道」(相生集)と呼ばれた相馬街道である。これは塩の道とも呼ばれ,相馬産の塩を二本松・本宮地方に搬入した。二本松からはこのほか,針道(安達郡東和町)経由で小綱木(こづなぎ)の篠峠,飯坂(小手郷)の水境を越え相馬に入る道もあった。これも近世には中村街道・相馬街道と呼ばれていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7031901