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都々古和気神社
【つつこわけじんじゃ】


都々古別神社とも書く。延喜式内社名神大社。論社。当町内に2社,他にも分霊と思われる社が存在するが,国幣中社となったのは当町の2社のみで奥州一の宮の称がある。その2社は,東白川郡棚倉町大字八槻字大町鎮座と,同町大字棚倉字馬場鎮座。祭神はともに味高彦根命・日本武命。前者を八槻明神・近津明神(千勝明神)といい,後者は馬場の都々古別(馬場明神)と称する。いずれが真実の式内社か不明。西白河郡表郷村三森,高野峰に巨岩がある建鉾山祭祀遺跡に初鎮するという。「和名抄」に社郷があるのはこの証とする。のち高野郡にうつる。前者の近津明神(八槻都々古別神社)は,久慈川に臨む河岸の森厳の地に古色蒼然たる宮居があり,修験大善院(八槻氏)が別当となり,八溝山を国峰とし,白川先達,白川別当といわれた。大善院文書(八槻文書)があり,社宝に国重要文化財の応永18年銘銅鉢,国重要美術品の天福2年銘八溝山観音堂本地仏木造十一面観音立像その他があり,県重要無形民俗文化財の御田植祭がある。馬場明神は棚倉城地にあったが築城に際して馬場の現在地に移る。別当は本山派,正年行事の不動院は馬場別当といわれ,大善院とともに白川先達として威を振るった。馬場都々古別神社には,国重要文化財の長覆輪太刀2口,赤糸威鎧残闕のほか御正体等の宝物がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7032393