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富岡街道
【とみおかかいどう】


福島市舟場町で陸羽街道から分岐し,立子山・川俣町を経て,山木屋東部の水境(578m)の鞍部を越え,津島川・室原川(請戸川)の谷筋を下って双葉郡浪江町で陸前浜街道に合する街道。全長74km。昭和28年国道114号となる。この街道は福島~川俣間の川俣街道と,川俣~浪江間の津島街道とを合わせ,明治25年県道に編入され富岡街道と命名。国鉄バスの福浪線はこの街道を通る。川俣街道は明治初年福島町の南方方木田(ほうきだ)で陸羽街道から分岐し,小倉寺東南の尾根を越え渡利中山・立子山を経て川俣に出た。明治12年には渡利経由の中村街道から分岐する秋山通り川俣道が里道1等(道路分類等級路線里程)となり改修されたが,まもなく明治19年沿道の村々の協力で,小倉寺~立子山間は阿武隈川沿いに,大巻・臼巻および梅平経由の新道を開設し,明治22年には鳥谷野橋(今はない)も完成して,秋山通りにかわり換線された(福島市史)。近世には室原川の峡谷をさけ,昼曽根(ひるそね)から金谷峠(400m)を越え小高町に出た。そのため川俣から山木屋にかかる道は明治初年まで小高街道の称があった。この街道は川俣から篠峠を越えて相馬に向かう中村街道から,小綱木の沢付近で分かれた。小高街道が浪江街道と改名されるまでには室原川の峡谷沿いに新道を開削する工事が必要であった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7032596