沼沢沼
【ぬまざわぬま】

沼沢湖ともいう。大沼郡金山町にあり,只見川中流の右岸約1kmにある湖。一般には昔から沼沢沼と呼ばれる。面積2.98km(^2),最大幅1.6km,湖面標高474m。最大深度96mでこれは県内では最も深く,わが国では13番目の深湖に当たる。透明度は10数mを示す。貧栄養湖であるが動物プランクトンが比較的多く,マスが生息する。沼沢火山の小カルデラ湖で,約5,000年前に現在の沼沢湖が形成された。沼沢の名はこの地で栄えた豪族沼沢一族とかかわりがあるものと思われる。「新編会津」には「……昔は霧窪と称え大蛇棲て人を害す……鮒魚海老杜父魚多し……あさ魚と云小魚あり此沼と河沼郡野沢組安座村の沼にのみありとそ」とある。近年沼沢湖と呼ばれるようになった。現在は夏には学生村が開かれ,揚水式の第1発電所(昭和27年完成),第2発電所(現在建設中)が造られ,その姿を変えつつある。昔,この沼に住む大蛇を時の領主佐原義連が退治した伝説にちなみ,8月16日に湖水祭が催されている

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7033223 |