平潟街道
【ひらかたかいどう】

太田街道の八槻(やつき)（東白川郡棚倉(たなぐら)町）から分岐して久慈川を渡り，双ノ平(そうのたいら)・上渋井・赤坂・中塚・川下・清水・大畑・那倉(なくら)（東白川郡塙(はなわ)町）・山ノ小川・才丸(さいまる)・山小屋を経て平潟（茨城県北茨城市）に通じる街道。山ノ小川以下は常陸国である。しかし平潟付近は棚倉藩の飛領で，領内の巡視・検見には藩の役人がこの街道を往来した。平潟はまた近世には重要な港町で，食塩・魚介・雑貨をあげ，輸送するのにも利用された。また前田・川下・中野の各村で鍬を製造したが，その原鉄はこの通路で搬入された。白川地方東部にとっては太田街道と並んで重要な街道であった。この街道は部分的に換線されたが，現在の主要地方道塙大津線である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7033653