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泉神社
【いずみじんじゃ】


日立市水木町2丁目にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は天速玉姫(あめのはやたまひめ)命。古くは天速玉姫命神社と称した。一般に泉大明神と称する。「新編常陸」によれば,社記に「社ノ側ニ神井アリ」とし,昔「霊玉」がこの地に降り,霊水が湧き出したので,霊玉を当社の神体としたのが始まりとある。この井については「風土記」久慈郡の条に「密筑の里あり。村の中に浄泉あり。俗(くにひと),大井と謂ふ」と見える。「三代実録」貞観8年5月27日条に,正六位上の天之速玉神を従五位下に叙すと見え,また同16年12月29日条では従五位上に昇階。「延喜式」神名帳久慈郡には「天速玉姫命神社」とあり,すべて同神であると考えられ,泉の湧き出る様を速玉と美称したと思われる。「新編常陸」には,享禄3年に佐竹義篤が崇敬し,社殿を修築するとともに泉大明神と社号を改めたとある。永禄3年には佐竹義昭が社殿の葺替えをしたという。江戸期には,水戸藩の保護のもと,寛延3年6月26日に造営が行われたが,享保年間に社殿を焼失。のち文化年間に再建(県神社誌)。享禄3年の佐竹義篤の再建棟札が残り,義篤は大旦那として花押を認め,ほかに馬1匹を奉納した青山六郎延久の名が見える(日立市史)。社殿は昭和35年に焼亡し,同36年に仮社殿を建立。毎年2月13日は当屋祭が行われ,当屋渡しの時に当屋が酔いつぶれるまで酒を飲ませる行事がある。境内一帯は泉ケ森とよばれ,県史跡。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7035456