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甲神社
【かぶとじんじゃ】


那珂郡大宮町にある神社。旧村社。祭神は武甕槌(たけみかずち)命ほか。社伝によれば,大同2年に藤原良継が勅命を受けて甲明神を祀ったといわれる。社名の甲は,社伝によれば佐竹昌義が源氏の祖源経基の甲を京都から持ち来たって,当社に奉納したことによるという。別に鹿島明神・部垂(へたれ)大明神ともいい,部垂村を中心に近隣12村の総鎮守であった。戦国期の部垂城主佐竹氏との関係は深く,社蔵の弘治3年3月の甲神社奉加帳は,当時の佐竹氏家臣団がそろって当社造営に参加していることを示す貴重な史料。奉加帳には佐竹義昭を筆頭に徳川・小田野・和田など180名余の人名が見える。江戸期には部垂村1村の鎮守となり衰退したが,天保13年部垂村を大宮村と改称した際のよりどころとなっている。社前の鳥居は永禄3年佐竹義昭の寄進と伝え,ほかに古形の能面2面を伝存(大宮町史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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