車
【くるま】

旧国名:常陸
古くは車城廻と称し,もとは広範囲の地名であった(地名辞書)。大北川の支流花園川の左岸と同川支流の根小屋川流域一帯に位置し,大部分が山地。地内の車城は南北朝期に築城され,臼庭加賀守が居城したという。「赤浜妙法寺過去帳」に文明17年「花岳〈車殿,七(月)一(日)〉」,長享元年「妙忠禅門〈車彦二郎殿,十一(月)一日〉」と見え(続群33下),「花岳車殿」とは文明17年に岩城常隆に討滅された車城主のことである。文禄4年11月9日の岩城領検地目録に「一,二百五十三石六斗九升 同(車ノ内)車城廻」とあり(佐竹古証文),同日付の岩城領小物成目録には「常陸 多珂郡内 車・竜子山・小里」「〈車ノ内〉磯原村」などと見える(秋田県立秋田図書館蔵/いわき市史)。
【車村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【車(近代)】 明治22年~現在の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7036916 |





