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神社
【こうもうじんじゃ】


北相馬郡利根町立木にある神社。延喜式内社。旧郷社。「みつちじんじゃ」ともいい,文間大明神とも称する。祭神は弥都波能売(みつはのめ)命(水神)・波邇夜須毘売(はにやすひめ)命(土神)ほか。社伝によれば,孝徳天皇3年に水神が祀られ,文武天皇2年に土神が合祀されたという。文間大明神と称するのは,ミズチは漢字で「蚊虻」とも書き,これを「モンマ」とよんだことによる。「延喜式」神名帳下総国相馬郡に蛟神社と見える。大治5年6月11日の下総権介平経繁私領寄進状案に「限東蚊虻境」と見える蚊虻は当社,あるいは鎮座地の地名と考えられる(櫟木文書/県史料古代)。天正18年布川城に入った松平信一は慶長3年当社を再建造営し,同9年社領50石の朱印状が与えられた。「下総国旧事考」によれば,社殿には奥宮(罔象女),角(門)宮(埴山姫)があった。同書に,社伝によれば神体は蛇形であると見え,当社は古代における河川の神として崇敬されていたことが知られる。元禄11年に門ノ宮を,同16年に奥ノ宮を改築(現社殿内墨書)。別当は延宝3年に創立された宮台山神宮寺(真言宗,布川徳満寺末で,明治5年廃寺)。明治5年郷社に列格。旧暦9月14・15日の例大祭は,角宮と奥宮の祭神を遷し合うもので,湯立神事・御衣焚(みそたき)などの儀式がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037009