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雀神社
【すずめじんじゃ】


古河(こが)市宮前町にある神社。旧郷社。祭神は大己貴(おおなむち)命ほか。お雀さまと俗称。創祀は未詳だが,社伝によれば,崇神天皇の子豊城入彦命が東国鎮護のために創建し,はじめは鎮社(しずめやしろ)と称したが,やがて訛って雀宮となったという。「古河志」には「正一位雀大明神」とあり,創祀は「伝説に,中古出雲の国大社より遷座有し」とされていた。社伝は出雲からの勧請を貞観年間とする。「古河志」には「もと日光道中下野国雀宮駅なる明神」を古河城中茂平河岸に勧請し,のちに移ったともいう。さらには当社別当神宮寺(もと新義真言宗)の縁起として,昔藤原行成卿が奥州をさすらい,都へ帰る途中この地で没し,その魂が雀に化して故郷に飛び去ったので,小祠をたてて行成を祀り雀大明神と称したともいわれる。「古河志」に載せる弘治2年12月23日銘の鰐口には「雀宮鰐口 御台様御寄進也」とあったという。ほかに元和9年6月銘,松平康長の娘が寄進したという釣灯籠の図も載せる。社伝では,康正元年に古河公方足利成氏は当社を崇敬し,長禄元年には自ら参拝して「天下泰平 国土安穏」を祈願し,以来この八文字を当社の祭礼に記すようになったという。徳川家康も当社に戦勝祈願して朱印15石を寄せたと伝える(古河志)。明治5年に郷社に列格。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037871