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大宝八幡神社
【だいほうはちまんじんじゃ】


下妻市大宝にある神社。旧県社。祭神は誉田別(ほむだわけ)命・足仲彦(たらしなかつひこ)命・気長足姫(おきながたらしひめ)命。社伝によれば,藤原時忠が九州の宇佐八幡を勧請して大宝元年に創建したという。しかし,当社の神域が鎌倉期における下妻城(大宝城)の跡であることから,中世の下妻氏・小山氏などの城主が城の鎮守神として八幡神を勧請し創建したと考えるのが妥当であろう。康永3年7月18日の大宝八幡宮別当職補任状が残るが(楓軒文書纂/大日料6-8),補任した者は不明。この時補任された権少僧都成珍は鎌倉鶴岡八幡宮に関係する者かとも思われるが,未詳。社伝によれば,大宝城に拠った下妻政泰が興国2年に戦死し,落城後,当社を管理したのは大宝寺で,別当は賢了院といった。この賢了院は明治期の神仏分離で廃寺となるまで当社の別当であった。大宝城の下妻氏が滅亡したのち,このあたり一帯を支配した多賀谷氏は当社を保護し,天正3年に火災のため焼失した社殿を再建。現存する本殿はその時のもので,天正5年銘の高欄擬宝珠があり,国重文。慶安年間に150石の朱印地を許され,代々の朱印状が社蔵されている。明治39年に県社に列格。国重文の本殿のほか,境内は大宝城跡として国史跡,11世紀製作のものとされる瑞花双鳥八稜鏡は県文化財。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038029