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東照宮
【とうしょうぐう】


水戸市宮町2丁目にある神社。旧県社。祭神は徳川家康・頼房。はじめは,水戸初代藩主徳川頼房が元和7年,現在地に徳川家康東照権現を祀って社殿を創建。この地はもと常陸大掾氏の菩提寺弥富山円通寺があり,その後佐竹氏が太田の地から天徳寺を移したが,佐竹氏の秋田移封に伴ってこれらの寺も出羽に移ったので,東照宮の社地となった。別当寺は大照寺といい,社領あわせて500石とされた。この頃は天台宗・浄土宗の2宗が法会を行っており,中央の東照権現,左の山王権現,右の麻多羅神をあわせて東照宮三所権現と称していた。その後,天保14年,藩主斉昭が仏式を止め,左右の配祀神を除き,社僧・寺院を廃して神道一色に改めた。明治4年に郷社,同8年に県社となる。昭和11年に藩祖頼房が配祀され,昭和41年には別表神社に指定。昭和20年の戦災で焼失した本殿は創建当時のもので,大正6年には国宝に指定されていた。現社殿は昭和37年の再建。例祭日の4月17日は家康没日にあたり,寛文12年に徳川光圀が盛大にしたもので,特に水戸御祭礼と称されていた。現在は神幸行列は中絶。この時に用いられた安神車は市文化財。ほかに鎌倉中期作の太刀(国重文),南北朝期作の大薙刀(県文化財),鎌倉中期作の太刀(県文化財),常葉山時報(市文化財)などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038444