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荒橿神社
【あらかしじんじゃ】


芳賀郡茂木(もてぎ)町小井戸にある神社。旧県社。祭神は国常立尊・国狭槌命・豊斟渟尊。高藤権現と呼ばれた。平城天皇の大同元年の創祀と伝えるが,永禄年間に社殿と共に古記録も焼失したため詳細は未詳。一般的には「延喜式」神名帳芳賀郡条の「荒樫神社」を当社にあてるが,近世期には,本来式内荒樫神社は芳賀郡下大田和村(現真岡(もおか)市)に鎮座し,戦国期に大前神社(真岡市東郷)に合祀されたと考えられていた(下野国誌・文草雑記)。建久年間に八田知基が当社の南西800mの桔梗山に築城,茂木氏を興すと,城の鬼門除けとして保護を受けたと伝える。南北朝期の建武4年2月には,北朝の石川孫太郎らが宇都宮の南朝軍を攻めるために「高藤宮前」に陣を敷き,北畠顕家の軍勢と合戦したことが知られる(飯野八幡宮古文書/大日料6‐4)。茂木郷の総社,茂木城主代々の祈願所として崇敬され(旧県史3),享保6年,宝暦4年,明和8年に城主により社殿が造営修復された。「下野国誌」は近世になって現社名に改称したと伝える。明治6年郷社に列格。昭和9年から11年にかけて社殿その他が修築造営され,同13年県社に昇格。例祭は4月17日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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