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一瓶塚稲荷神社
【いっぺいづかいなりじんじゃ】


安蘇郡田沼町田沼にある神社。旧郷社。祭神は豊受姫命・猿田彦命・大宮能売命・久々能知命。社伝では藤原秀郷が天慶5年に鎌倉松岡稲荷を現在の佐野市富士町に勧請し,のち子孫の佐野成俊が文治2年に唐沢山城鬼門守護のため現在地に移したという(旧県史3)。その時,周辺の人々が瓶に土を入れて運び塚を築いたので,一瓶塚と称したと伝える。一方明暦元年に書かれた別当能満寺の縁起には,大同2年の大旱魃の時,人々が京にいる弘法大師に雨乞いを依頼すると,大師は伏見稲荷の分霊を瓶子に入れて渡して旱魃をおさめたと見える(田沼町史4)。田沼町が商業町として発展するに伴い,近世には市神として栄え,商人などの崇敬者が多かった。参道正面にある銅製鳥居は延享3年に天明鋳物師丸山氏の製作(旧国重美)。丸山善太郎が注文主の「田沼町御世話衆中」に提出した請負仕様書等も社蔵されている(田沼町史4)。明治5年郷社に列格。2月初午は近県からの参詣者も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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