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磐裂神社
【いわさくじんじゃ】


日光市上鉢石町にある神社。旧村社。祭神は磐裂根裂神。神橋の手前大谷川南岸の台上にある。「補陀洛山建立修行日記」によれば,天平13年勝道上人7歳の時,明星天子が夢に現れて日光開山を教導。上人は天平神護2年当地に至り,深沙大王の加護で大谷川に山菅の蛇橋(神橋)が架けられたので大谷川を渡り,日光開山を成し遂げた。その後上人は当地の山を精進峰と名付け,そこに小祠を設け明星神を勧請,これを星御前と呼んだ(続群28上)。これが創祀で,社伝では延暦7年のことという。また上人は大谷川対岸に深沙王社を祀り,日光山根本の社として両社を篤く崇敬したという(補陀洛山建立修行日記)。これが現在神橋のたもとにある深沙王堂である。日光修験の隆盛により当地一帯は「星宿」と呼ばれ,冬峰の重要な宿(入峰修行の道場)となった。近世には星宮と呼ばれ,「此宮小社なりといへども,日光緇素大切なる社頭なり」といわれた(日光山志)。祭祀は東照宮社家の兼帯で,例祭の武者祭も社家によって奉仕されたと伝える。これは源頼朝が奥州征討の際,当社で神主が矢を射て戦勝祈願したことに始まるという。明治4年現社号に改称し,村社に列格。上鉢石・中鉢石・下鉢石・御幸・石屋・松原町の総氏神として崇敬されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040781