100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

宇都宮県立自然公園
【うつのみやけんりつしぜんこうえん】


宇都宮市の北西部にある県立自然公園。大谷町付近の丘陵地帯およびこれに接続する多気山(377m)・古賀志山(583m)を含む山地・丘陵の連続する地域。昭和35年3月指定。面積1,880ha。比較的小規模であるが市街地近郊で特有の山地景観を示しハイキングに好適で,社寺を中心とする文化財や大谷石石材業など多くの見学地点を持っている。今市市との境界に近い古賀志山は古生層頁岩よりなり,風化浸食された鋸歯状に連続するやせ尾根は岩場登りの練習に好適で,登山道をたどれば尾根続きで多気山から鞍掛山に達する快適なハイキングコースが楽しめる。多気山は山頂に中世の山城跡があり,現在,山腹の真言宗智山派に属する寺には寄木造りの手法で平安後期の作といわれる多気不動尊を祀る。大谷町は石材採掘と加工で知られ,緑色凝灰岩類に属する大谷石の産地で,耐震・耐火性が強く加工しやすいので古くから利用され,最近は石材採掘跡に大谷資料館も開館され見学も便利となっている。大谷寺は大谷観音ともいわれ,坂東19番の札所として参詣者が多く,ここには弘仁年間の作といわれる本尊の千手観音と釈迦三尊,薬師三尊,阿弥陀三尊が磨崖仏として大谷石の石面に浮き彫りにされている。大谷寺前の岩山を彫った平和観音もある。県都に位置し市民の憩いの場として訪れる市民が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040832