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大川島神社
【おおかわしまじんじゃ】


小山(おやま)市大川島にある神社。旧村社。祭神は大己貴命。総大権現,惣大宮などと呼ばれた。「古河志」所収宝永6年6月付惣大権現由来によれば(古河市史資料別巻),押領使藤原秀郷が平将門を征伐する時に,大己貴命に祈請して1宇を建立したのが創祀という。中世には「三庄総社」と称されており,中泉荘・皆川荘・小山荘の総鎮守的役割を担っていたと考えられる。小山氏などの保護と崇敬を受け,正長3年9月鎌倉府政所執事二階堂盛秀は課役を免除,享徳元年11月には小山持政が中泉荘大川島郷内の地30貫文を寄進した。天正3年正月にも小山秀綱が大川島郷内2貫100文を寄進している。また,しばしば造営料の荘内勧進が許可され,櫓・柱・格子の材に当社の林の木を使うことも禁止された。「別当の心ニまかせて,番匠を召使ハれ候へく候」とある如く,社務は「惣大別当」である総大山光明寺に委ねられていた(以上,青木文書/県史中世1)。近世には衰退したらしく,光明寺中に祀られていた(古河志)。明治初年現社号に改称。例祭は10月18日。浮彫の装飾をこらした本殿は市指定文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040926