100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

大前神社
【おおさきじんじゃ】


下都賀郡藤岡町大前にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は於褒婀娜武知命。神日本磐余彦彦火々出見命を配祀する。大前大明神と呼ばれ(下野国誌),「オオマエ」とも読まれる。創祀については未詳。かつての赤麻沼に接する位置に所在し,付近には4世紀後半と推定される赤麻愛宕塚古墳(藤岡町赤麻),山王寺大桝塚古墳(同蛭沼)などの大型の前方後円墳があり,これらの古墳の存在と関係があるかもしれない。また同名の芳賀郡延喜式内社大前神社(真岡市東郷に所在)が五行川に面して位置し,両社とも水と関係する点は興味深い。「延喜式」神名帳都賀郡条に「大前神社」と見える。社伝によれば天慶2年平将門の乱の時に社殿が焼失したという。間もなく再建したが,室町期に社運衰退し,祭祀を廃すること数百年に及んだ。天正19年徳川家康が入部すると再興され,元和年間に当地が古河藩領となると藩主永井直勝から社領が寄進された。永井氏が下総佐倉に移封となってもその崇敬は続いた(旧県史3)。別当は真言宗の勝光院(下野国誌)。明治3年に北前の地から現社地に移転し,同5年郷社に列格。例祭は4月3日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040949