100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

太平山神社
【おおひらさんじんじゃ】


栃木市平井町にある神社。旧県社。祭神は天津日高彦穂瓊々伎命。天照大神・豊受姫大神を配祀する。三光神社,太平山権現と称した(旧県史3)。元治元年藤田小四郎ら水戸藩の尊攘派天狗党がたてこもったことで知られる太平山々頂付近に位置する。天長4年比叡山延暦寺の慈覚大師円仁が,太平山に登攀の際創祀したとも,神護景雲年間に大和国大神神社を勧請したともいわれ,創祀は明確ではない。当初の祭神は月日星の三光天子で,本地虚空蔵菩薩は聖徳太子作といわれ,淳和天皇から神田を寄進されて祈願所として崇敬された(同前)。「延喜式」神名帳都賀郡条の「大神(神脱カ)社」を,当社に比定する説と市内惣社町の大神神社にあてる説とがあるが(下野国誌),いずれも明徴を欠く。年未詳7月27日付曼珠院覚恕法親王書状で,後小松天皇から勅額を賜わったことが知れる(太平山神社文書/県史中世1)。天正12年7月北条氏直の軍勢が太平山に攻め寄せ,社頭寺院を残らず焼き払ったと伝え(皆川正中録),また年未詳5月14日付皆川広照書状によれば,この頃15日間の狂言が演じられたことがわかる(太平山神社文書)。近世には朱印社領50石で(旧県史3),別当は蓮祥院般若教寺(下野国誌)。宝暦元年の神社取調時の記録に「大平山,旧号大神社」とあった(下野国誌・地名辞書)。明治維新に際し別当を廃し,明治10年郷社に列格。同29年県社に昇格した。例祭は4月19日,11月10日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7041025