100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

傘松農場
【かさまつのうじょう】


品川開墾とも呼ばれる。大田原市・那須郡湯津上村にあった農場。明治19年,子爵品川弥二郎が湯津上村蛭田,大田原市鹿畑・倉骨にわたる官有地を拝借して開き,那須疏水の水利権を得て,翌20年には第2分水が当地まで延長された。明治21年拝借地は払い下げられ,翌年農場は親族の平田東助・武井守正との共同経営となり,同33年品川が死去してからは平田の単独経営となる。疏水のほか,蛇尾(さび)川の水を引き入れ,水田開発も進められ,大正末期には総面積226町歩中108町歩が水田,73町歩が畑であった。入植者は明治29年27戸,大正14年76戸,昭和10年頃100戸前後であったが,第2次大戦後の農地改革ですべて解放された。傘松という名は,農場事務所の庭に傘形の老マツがあったことからつけられた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7041206