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木の葉化石園
【このはかせきえん】


那須郡塩原町中塩原地内にある民営の化石展示園。塩原温泉中心部のやや北方に位置する。木の葉石とは塩原湖成層中から出る植物化石の総称で,新生代第四紀の地殻変動で形成された塩原化石湖の湖盆に,高原火山の火山灰・溶岩流が堆積した泥岩層である。明治21年,スウェーデンの学者によって紹介されたというが,その後詳細な研究によって約150種類の植物化石が確認されている。大部分は双子葉植物でカバノキ・シデ・シイノキ・カエデ属が多く,数ではイヌブナが最も多い。そのほかオノオレカンバ・ミズナラ・クリなどがみられる。これらの植物の存在から当時の塩原の気候は,現在よりも寒冷で日光中禅寺湖畔や北海道中南部と類似していたと考えられる。当化石園内からは淡水魚やトンボ・カメムシ・ハチ・クモ・アリ・ハエなど昆虫類の化石も産出する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7041867