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白鷺神社
【しらさぎじんじゃ】


河内郡上三川(かみのかわ)町上三川にある神社。旧郷社。祭神は日本武尊。大己貴命・事代主命・豊城入彦命を配祀する。「白鷺神社縁起」(上三川町史史料編近世)によれば,嘉祥3年夏大旱魃があった時井戸を掘ったが,大石があって掘り進むことができなかった。苦心の末その石を掘り出すと下から泉が湧き出し,田畑を潤して作物が豊饒となった。その石には「日本」の刻字があったので,日本武尊の徳によるものと考え,祠を建てて鷺明神と称したという。別に延暦2年に疫病が流行し,国守文屋高島が日本武尊の神託によって祠を建てて祀ったともいわれ,創祀については明確ではない。源頼義は前九年の役出陣に際し,戦勝を祈願して神宝を寄進。建久元年に宇都宮頼業が上三川城を築くと,宇都宮の二荒明神の豊城入彦命を勧請,相殿に祀ったと伝える。康暦2年小山城主小山義政が上三川城を攻めた際,社叢に白鷺の群がるのを遠望し,白旗が風になびくのと見まちがい退散したという逸話が残る。それ以来,これは明神の加護によるものと神徳をたたえ,白鷺明神と称したと伝える。慶安元年徳川家光から朱印社領3石が寄進され,宝永4年には正一位を賜わった。宝暦年間火災のため社殿を焼失(旧県史3)。別当は天台宗の普門寺(上三川町上三川)だったが,寛永元年別に神宮寺を建てて別当とした(上三川町史)。明治初期郷社に列格。例祭は11月15日。吉田流太々神楽が奉納される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7042280