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玉藻稲荷
【たまもいなり】


黒羽町蜂巣の小字篠原の田園地帯にある小祠で,有名な玉藻前伝説が伝わる場所である。鳥羽院に仕えて玉藻前の名を賜わった女性は金毛白面九尾の狐の化身であり,見破られて那須野に逃れてきたという。近衛天皇の久寿2年,東国の武士三浦介義明・上総介広常は勅を奉じてこの狐を追いここ篠原で討ち取ったという。そして狐の霊を弔うために稲荷神社を祀ったのがこの玉藻稲荷であった。社殿に隣接した小池を鏡ケ池といい,ここまで追いつめられた狐は蝉となって立木に隠れたが,狐の姿が池の面にうつって射殺されたという伝説も残る。以上の内容は室町期の物語「玉藻草紙」に残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7042618