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那珂川県立自然公園
【なかがわけんりつしぜんこうえん】


那須郡烏山町,芳賀郡茂木(もてぎ)町・市貝町にわたる県立自然公園。県東部を南流する那珂川中流域に位置する。昭和42年3月指定。面積3,001.4ha。烏山町以南の那珂川本流域と右岸の塩那丘陵を流れる支流の荒川・江川の下流部,茂木町の鎌倉山(254m)とその周辺,支流逆川流域などからなる。当自然公園の特色は那珂川を主体としている点にあり,関東一といわれる清流,新緑や紅葉を中心とする四季の変化,アユの釣魚などハイキング,レクリエーションに好適である。烏山町から茂木町にかけての那珂川は八溝山地を横断する,いわゆる先行性河谷を形成,山地の迫った峡谷状の景観を示す。特に茂木町生井から茨城県御前山村にかけては鷲子~鶏足両山塊間を東流して横谷をつくるが,蛇行した峡谷が連続し,その攻撃斜面は断崖となって古期岩層が露出し,滑走斜面は河岸段丘を形成し,煙草栽培などを中心とする農業集落が点在する。烏山町の南方,那珂川左岸の山間部に位置する国見では気温の逆転現象を利用してミカンの栽培を行い,観光農園として知られており,わが国におけるミカン栽培の北限に位置するものとして興味深い。自然景観は南画に表現されるような山水の風景であり,気温の逆転現象もあって所々に暖地性広葉樹林が分布しており,豊かな自然に恵まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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